文部科学省 科学技術・学術政策研究所(NISTEP)科学技術予測・政策基盤調査研究センターはこの程、「専門家が注目する科学技術に関するアンケート調査(NISTEP注目科学技術2022)」の報告をまとめた。調査の結果、今回の注目科学技術は395件、兆し科学技術は138件が挙がった。

 本調査は、NISTEPが専門家ネットワークに対して現在注目される科学技術についてのアンケートを実施し、専門家の最新の知見を毎年幅広く収集・蓄積することで科学技術や社会などの早期の兆しを捉えることをねらいとする。

 最も多かった科学技術のキーワードは「人工知能」、「機械学習」、「深層学習」といったAI関連が占めた。次いで「量子コンピュータ」、「量子暗号」、「量子力学」などの量子科学技術関連、「宇宙探査」、「宇宙利用」、「宇宙資源」などの宇宙技術関連、「カーボンニュートラル」、「脱炭素」、「カーボンフリー」などの二酸化炭素技術関連に続いて、「ビッグデータ」、「データ駆動科学」などがある。

 これら注目科学技術の実現時期の見通しについては、半数以上が「5年以降10年未満」に回答が集まっている一方、実現に向けて必要な要素として、「人材の育成・確保」、「研究開発費の拡充・事業補助」、「研究基盤整備・事業環境整備」、「国内連携・国際連携」、「法規制の整備(法令・基準の緩和・廃止又は強化・新設)」、「倫理的課題への対応」などが挙がっている。

 今後は、今回の結果を精査・分析し次期科学技術予測調査における科学技術トピック検討に活用するほか、政策検討の場への積極的提供を進めるとしている。

参考:【科学技術・学術政策研究所ライブラリ】専門家が注目する科学技術に関するアンケート調査(NISTEP注目科学技術2022)

大学ジャーナルオンライン編集部

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