熊本大学大学院教育学研究科は外国人材の受入や共生を支える教員の養成を目指し、近く養成プログラムをスタートさせる。世界的な半導体企業のTSMC(台湾積体電路製造)の熊本県進出を受け、外国人との共生を図るためで、30日に熊本市でキックオフシンポジウムを予定している。
熊本大学によると、新プログラムは2024年9月までの1年間開講され、全60時間の授業が予定されている。学校教員や教員免許保有者を対象に約20人が学び、外国人の児童生徒に対する日本語指導や生活支援、多文化共生の学校・学級づくりなどを学ぶ。
キックオフシンポジウムは熊本市中央区桜町の熊本市民会館で開かれ、東京学芸大学教育学部の齋藤ひろみ教授の基調講演、熊本県教育委員会の松永尚子英語・日本語教育推進室長、熊本市立桜山中学校の田口惠子校長らがパネリストを務めるシンポジウムが開かれる。
TSMCは半導体の受託製造で世界最大手。熊本県菊陽町で約1兆円を投じた熊本工場がほぼ完成し、近く生産設備の搬入が始まる見通し。本格出荷が始まる2024年末までには台湾などから多くの外国人材が熊本に家族を伴ってやってくるとみられ、外国人児童生徒の支援や外国人との共生が地域の課題に浮上している。