「高校化学グランドコンテスト」の最終選考会が2023年10月28日、29日に芝浦工業大学豊洲キャンパスで開催され、1位の文部科学大臣賞には、学校法人池田学園池田高等学校SS部(SSH地象気象班)の「簡易アルカリろ紙法を用いた桜島火山地域における火山ガス測定」が選ばれた。

 「高校化学グランドコンテスト」は、全国の高校生および高等専門学校生(3年生以下)が行っている「学習研究活動」を支援し、高校生自らが自主的な探究活動を楽しみながら科学的な創造力を培い、将来、科学分野で活躍できる人材の育成を念頭に置いて行っている教育支援プログラム。2004年から大阪市立大学を中心に実施してきたが、コロナ禍を経て、2023年度からは芝浦工業大学が主催している。

 10月28日・29日に芝浦工業大学豊洲キャンパスで高校化学グランドコンテスト最終選考会が開催され、第1次審査を通過した全国の高校生80チーム304名と海外から招へいした3チーム13名が日ごろの成果を発表。2日間で延べ約800人が来場した。審査対象80チームのうち、10チームが口頭発表、70チームがポスター発表を行った。

 1位の文部科学大臣賞を受賞した池田高等学校の研究「簡易アルカリろ紙法を用いた桜島火山地域における火山ガス測定」は、現在鹿児島県や鹿児島市などで行われている二酸化硫黄の測定に加え、塩化水素、フッ化水素についても観測し、各成分濃度や組成比変動を調べ将来的には火山活動の指標となる現象の解明を目指すもの。そのために多くの地点で簡易に測定できるようにアルカリろ紙を用いた火山ガス捕集装置と自作吸光光度計を用いて実験を行い、新しい測定法を提案した。

 池田高等学校2年SS部の部長吉井由さんは「今回初めて参加した最終選考会では、レベルの高い内容での英語発表がほとんどで圧倒されました。しかし、分析や試行錯誤の数では負けない気持ちで、日本語で堂々と発表できましたが、「文部科学大臣賞、池田高校」と聞いたときは信じられませんでした。今後は研究を続けながら、国際大会に向けてさらに研究内容を向上させ、私たちの研究を支えてくださった皆様に恩返ししたいと思います」とコメントした。

参考:【芝浦工業大学】高校化学グランドコンテスト文部科学大臣賞は 簡易アルカリろ紙法を用いた桜島火山地域における火山ガス測定

大学ジャーナルオンライン編集部

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