近畿大学東洋医学研究所の研究グループは、月経前症候群(PMS)および月経前不快気分障害(PMDD)に対するエクオール含有サプリメントの有効性を、国際的に信頼性の高い手法で確認した。
PMS・PMDDの標準治療には薬物療法が用いられるが、より安全性が高く継続しやすいサプリメントの効果を期待する女性もいる。大豆イソフラボンから腸内細菌によって産生される「エクオール」は、女性ホルモン調節作用があることから、更年期症状の緩和などを目的に利用されている。特に、大豆イソフラボンを摂取しても体内でエクオールを産生できない人が約40~70%いるとされており、こうした人への有効性が期待されている。
そこで本研究では、PMS・PMDDに対するエクオールの効果を厳密な臨床試験で検証した。対象は、治療を要しない程度のPMSまたはPMDD症状がある20~45歳の女性のうち、エクオールを産生できない119人(途中脱落11人)とした。治療薬の治験で標準的に用いられる手法である「Daily Record of Severity of Problems(DRSP)」を用い、エクオール含有食品またはプラセボを3カ月間摂取してもらう無作為化二重盲検プラセボ対照比較試験を実施した。
その結果、全体では統計学的な有意差は認められなかったものの、症状が重い女性を対象とした解析では、エクオールの摂取により症状が大きく改善した。このことから、重症のPMS・PMDDに対してエクオールが有効である可能性が示唆された。
PMS・PMDDに対するサプリメントの効果を、治療薬の効果検証で用いられる厳密な評価法で検証した報告は世界的にも例がなく、より大規模な臨床試験につながる重要な知見となり得るという。本研究成果は、フェムテックを活用した女性の健康支援の発展に貢献することが期待される。
