ニューノーマル社会において、混雑緩和は安心安全なイベント開催に欠かせない。そこで神戸大学、株式会社デンソーテン、楽天モバイル株式会社が共同で、2021年10月2日より、イベント時の混雑緩和方策の検討、ならびにイベント会場周辺の経済活性化を目的とする実証実験を開始した。
神戸市兵庫区の「ノエビアスタジアム神戸」周辺は、サッカーの試合などのイベント開催時、近辺の駅構内およびスタジアムから駅に向かう道路の混雑が地域の課題となっている。実証実験では、ノエビアスタジアム神戸での試合終了後、帰宅者が集中する「時間」と「場所」を専用スマートフォンアプリを活用して分散させ、混雑緩和の実現を目指す。
アプリは、スタジアム周辺に設置した人体などから発する熱(赤外線)の変化を感知する焦電センサー情報から試合終了後の人の流れを予測し、公共交通機関の混雑状況(待ち時間)を表示。ユーザーに公共交通機関の混雑状況を配信することで、会場や会場周辺での待機を推奨し、帰宅時間の分散を促進する。
さらに会場内では現地だけで楽しめるヴィッセル神戸に関するクイズゲームの提供や、待ち時間に応じたインセンティブ(ポイント)を付与することで来場者に待機を促す。付与されたポイントは、グッズ販売店や会場周辺の提携店舗で使用可能なクーポンに交換可能にする。帰宅時の寄り道を促進することで、混雑する場所の分散を図るとともに会場周辺の経済活性化にも貢献する。
神戸大学は、今回の実験において、行動変容に関するデータ分析および来場者への効果的な提案通知方法の検証を行う。楽天モバイルは映像の配信に活用する5G環境や技術知見の提供、デンソーテンは専用スマホアプリの開発および人流の計測・交通機関の混雑状況の予測、来場者への最適な情報提供を行うためのデータ分析を行う。
これまで実証実験は、2021明治安田生命J1リーグ第31節「ヴィッセル神戸vs. 浦和レッドダイヤモンズ戦(10月2日(土)15:00キックオフ)」にて実施。今後は、10月16日(土)、11月3日(水)・6日(土)・27日(土)に行う予定。