東京大学、慶應義塾大学、ソウル大学校、VTT Technical Research Centre of Finland、芝浦工業大学、南京都病院、大正大学らによる研究グループは、顔に貼っても見えず、触っても認識できない「ステルス皮膚電極」の開発に成功した。
ウェアラブルデバイスを用いれば、様々な生体情報の連続的測定が可能だ。特に顔からは多くの情報が得られるが、従来の顔用電極は、貼っていることが周囲から見えやすく、装着者に見た目の違和感や心理的な負担を与え、日常生活での自然な使用が難しかった。
そこで研究グループは、見ても触っても認識できない「ステルス皮膚電極」を開発。電極は極薄の伸縮性電子材料からなる光学調整層と、透明で導電性を持つ銀ナノワイヤ電極層で構成されている。酸化チタンナノ粒子を含む約200ナノメートル厚の極薄膜を用い、皮膚に近い光の反射と触感を実現した。
ステルス皮膚電極を顔に貼付したところ、装着者本人も周囲の観察者も、視覚的・触覚的に電極を認識できなかった。また、ステルス皮膚電極を貼っている自分の写真を見ても、脳波応答や心理状態に変化は見られなかった。
また、ステルス皮膚電極を用いて、眼球運動やまばたきに由来する眼電図、咀嚼や顎の動きに由来する筋電図、閉眼時に現れる脳波のアルファ波の測定は、従来のゲル電極の場合顔に多数取り付けると非常に目立ったが、ステルス皮膚電極ではほとんど見た目は変わずに安定した計測が可能だった。
今回開発した電極により、眼球運動、表情筋、脳波などを自然な状態で計測でき、心理状態や認知状態の理解、スマートフォン・AR/VR機器などの新しい操作方法への応用が期待されるとしている。
論文情報:【Science Advances】Reduction of appearance artifacts in wearable on-skin electronics

