100年以上にわたって、グローバル教育に注力してきた関西大学。現在は大阪公立大学との連携プロジェクト「OSIP」を全学的に推進し、社会を変革するリーダーの育成をめざしている。多文化共修を軸とするOSIPを中心に、同大学が取り組むグローバル教育について、竹内理副学長に聞いた。

 

国際化への先進的な取り組み

学是である「学の実化(がくのじつげ)」を支える柱として、「国際的精神の涵養」と「外国語学習の必要」を掲げる関西大学。大学昇格を果たした1922年以降、100年以上国際化に取り組んできた歴史をもつ。2009年には一年間の海外留学が必須の外国語学部を設立。また2014年からは全学の日本人学生と留学生が共に英語で学び国際感覚を培うことができるKUGF科目を開講。これに加えて、ICTを用いてオンラインで海外の学生と協働学習を行うCOIL型学習(※1)を全国に先駆けて導入した。
 
「近年ではブレンディッド・モビリティにも注力しています」と語るのは、外国語学部長を経て副学長を務める竹内理氏だ。COILによる事前・事後学習と実際の渡航を有機的に組み合わせるブレンディッド・モビリティは、渡航前から留学先の学生たちとオンラインで交流し、相手への理解を深めたうえで留学中に共に課題に取り組むことで、より深い実践的な学びを実現している。

グローバル教育の真の成果は非認知能力の向上に表れる

関西大学が、2024年から全学的に推進しているのが「Osaka Social Impact Project(以下OSIP)」だ。文部科学省の支援事業であるOSIPは、大阪公立大学と連携し、大阪を拠点に、次世代の社会を変革するリーダーの育成をめざすプロジェクトである。

「ここでいうリーダーとは、例えば留学生を含む多様な人々と『協働』し、大阪が抱える課題に対して『主体的に』解決策を探り、社会に影響を与えるような人材です。現在の学習指導要領においても『主体性』と『協働』は重要なキーワードですが、本プロジェクトではまさに、多様な他者と共に深く学び、自ら行動を起こせるリーダー、つまりチェンジメーカーズを育てていこうとしています」

「OSIPプログラムの柱となる『多文化共修』。これは、異なる文化的背景をもつ学習者が対等な立場で『協働しながら様々な社会問題を解決していく』学習形態であり、『相手を理解する』だけでなく『両者が変わる』学習をめざすものです」関西大学では、この形態での学びを実現させるため、2025年度から日本人学生と留学生が共修する「多文化共修科目」を拡大し、全学共通科目はもとより、各学部の専門科目にも展開している。

「留学生と共に学ぶことで多様な視点が加わり、発想と思考の幅が大きく広がります。同時に意見が対立し、決裂した際にどう修復するかといった壁にも直面することになります。文化や言語が異なる相手と話し合い、合意形成を図ることは簡単なことではありません。このプロセスを通じて、相手の立場に立って物事を考え、悩みに寄り添うことができる『共感力』(エンバシー)が向上し、それぞれの状況を客観的に捉え、粘り強く改善していく『自己調整への姿勢』も伸ばしていきます。そして、これらを基にして、積極性や主体性といった『非認知能力』が大きく伸びていくのです。我々は、この『非認知能力』の向上こそが、これからの社会を生き抜くうえで必須だと考えています」

これらの取り組みに加えて、2026年から、全学共通の外国語科目の授業で独自に開発したオンライン教材「eMAP(#2)」を導入。英語力のさらなる向上をめざすとともに、学生の異文化理解力をより一層高め、多文化共修がスムーズに進むよう、認知的能力育成の基盤作りにも取り組んでいる。

大学独自開発のオンライン教材「eMAP」

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関西大学

考動力と新たな価値を創造する力で、未来を切り拓く

140年の歴史をもつ関西大学は、大学昇格、また、学是「学の実化」の提唱100周年を2022年に迎えました。専門性を深く追求、好奇心のままに知を探究、自分の学びを広げる14学部を擁する総合大学です。不確実性の高まる社会の中で困難を克服し未来を切り拓こうとする強い[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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