北海道大学の河原純一郎特任准教授は中京大学の伊藤資浩氏と共同で、使用せずにそばに置かれている携帯端末が注意に及ぼす効果を測定した。その結果、画面を消した他人の携帯電話でも注意が阻害されることが判明。特に、普段は携帯電話を使わない人ほどこの影響が強い傾向があった。

 「歩きスマホ」などにより他の物事へ注意が行き届かずに生じる事故が多発している。しかし、日常生活ではメールの返事やSNSの通知などに関して、使用せずとも携帯端末に注意を向けていることがあるとされる。今回の研究では、実際に使用せずとも、単に携帯端末が置いてあることで、注意が損なわれるかどうかの検証、およびこの効果と利用頻度の関係の検討が行われた。

 実験参加者をスマホ条件と統制条件の2群にランダムに割り振り検証した。スマホ条件では、PCモニタの脇に実験者のスマホを置き、実験参加者にモニタ上の多数の文字の中から標的文字を探すよう求め、その探索時間を計測した。統制条件では、スマホの代わりに同サイズのメモ帳を置き、同様の実験を行った。その後、全参加者に普段のスマホ使用頻度や愛着について質問した。

 その結果、標的を探す時間は統制条件よりスマホ条件で長くかかった。これは、単にスマホが置いてあるだけで自動的に注意が向いてしまったためと考えられる。しかし、この効果は使用頻度が低い人に強く起こり、スマホを普段からよく使用する人はかえってスマホの置かれた側の標的に気づきやすいことも分かった。これにより、スマホの存在を無視したり、注意したりする機能に個人差があるとしている。

中京大学

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大学ジャーナルオンライン編集部

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