共同印刷株式会社は、各種試験における答案用紙のスキャンデータを採点者がWebブラウザ上で採点する「記述デジタル採点システム」を構築し、2022年1月に提供を開始する。

 大学共通テストで記述式問題の導入が見送られたこともあり、文部科学省は個別入試における記述式問題の充実を促している。しかし、受験者一人ひとりの答案用紙を採点し得点を入力する現場では、非常に限られた時間で合否判定を行う必要がある。国公立大学では9割が記述式問題を課すのに対し、私立大学は約4割にとどまる背景には、スケジュールの都合で記述式問題の採用を見送っている状況があると推測される(文部科学省「大学入学者選抜における英語4技能評価及び記述式問題の実態調査/令和2年度」)。

 こうした状況を受け、共同印刷は「記述デジタル採点システム」の開発に着手。本システムは、あらかじめ問題別に採点者を振り分け、採点者はWeb上で同じ問題の採点を連続して行う。採点と同時に得点がデータ化されることで、採点時間の大幅な短縮につながる。数学のように過程を記述する問題や小論文への対応も可能。答案用紙の紛失や採点漏れ、得点の入力ミスといったヒューマンエラーをなくすことで採点業務の効率向上を図るとともに、正答率など得点データの分析がしやすくなり、業務全体の品質向上が期待できる。

 共同印刷では、この「記述デジタル採点システム」と合わせて試験業務を一括受託する「試験運営サポートサービス」を提供し、大学・資格試験団体の業務効率化をサポートする。

参考:【共同印刷株式会社】記述式問題の採点システムを大学入試・試験団体向けに構築

大学ジャーナルオンライン編集部

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