2020年4~5月にあった新型コロナウイルス感染拡大に伴う最初の緊急事態宣言で、日本国内の結婚数と離婚数が減少したことが、慶應義塾大学医学部のガズナヴィ・サイラス研究員、野村周平特任准教授らの分析で分かった。

 慶應義塾大学によると、研究グループは2017年1月から2021年5月までの国内の結婚数、離婚数、出生数のデータと、過去5年間のデータを基に推定したコロナ禍がなかった場合の結婚数、離婚数、出生数の予測値を比較した。

 その結果、2020年4~5月の最初の緊急事態宣言中に結婚数と離婚数が例年より低く、2020年12月~2021年2月に出生数が例年より少なくなっていることを見つけた。

 研究グループは結婚数と出生数の減少について、最初の緊急事態宣言で将来に漠然とした不安や経済的な悩みを感じ、結婚を見合わせたり延期したりしたほか、子作りを先延ばししたカップルが増えたためとみている。離婚についてはコロナ禍で国外の離婚数増加が報じられているが、国内では中止や延期するカップルが出たのではないかと推察している。

 研究グループはこの変化で日本の少子化がさらに加速する可能性がある一方、2021年6月以降に結婚や出生が反動で増えたことも考えられるとし、今後さらなる研究が必要としている。

論文情報:【BMJ Global Health】Changes in marriage, divorce and births during the COVID-19 pandemic in Japan

慶應義塾大学

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