全国の若者の半数以上が1カ月間に紙、電子書籍を含めて1冊の本や雑誌、マンガを読んでいないことが、文部科学省が実施した第21回21世紀出生児横断調査で分かった。若者の活字離れ、読書嫌いは長年、問題になってきたが、それが加速しているわけで、日本人の知の低下を危惧する声がまた上がりそうだ。

同調査は2001年1月10~17日、7月10~17日に生まれた全国の子ども(現在21歳)を厚生労働省から引き継ぐ形で文科省が追跡しているもので、2021年12月から2022年10月にかけて約2万3,000人分の有効回答を回収、集計した。回答者の内訳は大学などへの在学者が63.9%、就業者が24.5%。

それによると、調査直前の1カ月間に1冊も本や雑誌、マンガを読んでいない人が、紙の本で62.3%、紙の雑誌・マンガで51.9%、電子書籍の本で78.1%、電子書籍の雑誌・マンガで57.3%に上った。

2010年に厚労省が実施した追跡調査では、1冊も本や雑誌、マンガを読んでいなかった人は、本が10.3%、雑誌・マンガが20.3%だった。当時は調査対象者が小学校低学年で児童向けの本や雑誌、マンガが対象となるだけに、今回の調査結果と単純に比較できないが、数字の上では若者の活字離れ、読書嫌いの傾向が強まっているといえる。

全国の新聞社が進めている新聞を学校の教材に使うNIE活動では、新聞記事やテレビ、インターネットのニュースを見ても内容を理解できない中高生が増えていると危惧する声が出ており、活字離れの影響と考える声もある。

参考:【文部科学省】第21回21世紀出生児縦断調査(平成13年出生児)の結果について公表します(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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