日本財団は2024年1月、「教育」をテーマに61回目の18歳意識調査を実施した。義務教育での経験や国の教育支出の在り方、少子化を背景とした新たな大学再編の動きなど幅広い課題について若者の意見を聞いた。

 調査によると、国の教育支出に関しては、現在、一般歳出比で7・8%となっている初等、高等教育への公費支出を15%以上、あるいはOECD(経済協力開発機構)加盟38ヵ国の平均である10・6%以上へ増額を求める意見が全体の4割を占め、大学の無償化に関しても6割近くが賛成と答えた。

 また少子化に伴う大学の新たな動きに関しては、通学不要のオンライン大学の増設、留学生受け入れの強化を求める意見が過半数、公立大学の増加を求める声が約半数に上る一方、大学の定員削減に賛成する声は4分の1弱に留まった。

 このほか義務教育で重視されていたと思うことの1位は「基礎学力を身に着けること」で約3割、もっと学んでおきたかったと思うことのトップは生きていく上で必要なお金に関する知識や能力を身に着ける「金融リテラシー」が約2割となっています。教員への信頼では「信頼していた教員は半数より少なかった」、「ほとんどいなかった」とする声が全体の4割弱、女性に限ると4割以上に上った。

 調査ではこのほか、教育支出を増やすための新たな財源確保策や大学入試の在り方などについても若者の意見を聞いている。報告書で詳しく紹介している。

※18歳意識調査とは
民法の改正に伴い2022年4月には成人年齢も18歳となり、次代を担う18歳の意識を知り、記録することの重要性が高まっているす。日本財団は、選挙権年齢の引下げをきっかけに、2018年10月より、18歳前後の若者の価値観、政治・選挙に対する態度、社会課題の理解などを継続的に調査している。

参考:【日本財団】日本財団18歳意識調査結果 第61回テーマ「教育」(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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