帝京大学と株式会社 明治は「チョコレート摂取による腸内環境改善効果の探索的研究」についての共同研究を行い、高カカオチョコレートの継続的摂取により、便通改善効果が確認されたと発表しました。この効果はカカオ由来の新しい機能性成分「カカオプロテイン」の働きが影響している可能性があるということです。またこのカカオからカカオプロテインの抽出は、今回の共同研究によって世界で初めて成功しました。
臨床試験では、20歳以上50歳未満の便秘傾向のある女性を対象に、カカオ分72%の高カカオチョコレート摂取群(16名)と、ホワイトチョコレート摂取群(15名)に分けて行いました。その結果、「排便回数」「便色」「便量」などの項目については高カカオチョコレート摂取群が上回り、「腸内フローラ」を変化させる効果も確認できました。カカオプロテインは難消化性タンパク質であることが分かり、これによって小腸では消化吸収されずに大腸に届き、便の基材となってかさを増したり、腸内細菌のエサとなって腸内フローラを変化させたりすることで、整腸作用を及ぼすことが期待されます。つまり、カカオプロテインによる便通改善は、従来の腸内細菌の作用によって腸の蠕動が促され、便通が改善されるという仕組みだけでなく、「便のかさ増し効果」という異なるアプローチも加わって便通を改善してくれるのです。
なお、臨床試験の両グループの試験期間中の体重変動はなかったとのことです。