大阪市立大学と大阪税関が包括連携協定を締結した。大学と税関の連携協定は全国で初めてという。人的、知的資源の交流を図り、地域社会の発展に貢献するのが狙いだが、NHKの連続ドラマ「あさが来た」で有名になった五代友厚が結ぶ縁も協定締結を後押しした。

 大阪市立大学によると、五代は明治初期の実業家で、大阪税関の初代税関長を務めた。大阪経済界の重鎮として大阪経済を立て直し、大阪商法会議所(大阪商工会議所の前身)設立に尽力したことで知られているが、大阪市立大学の前身である大阪商業講習所の創立にも深く関わっている。この歴史に着目した大阪税関が、同大学に包括連携協定締結を提案した。協定の締結式は大阪市住吉区の杉本キャンパスで行われ、荒川哲男理事長と片山一夫税関長が協定書にサインしたあと、大学キャンパスにある五代の銅像前で握手を交わした。

 大阪市立大学と大阪税関は共同研究や人材育成、地域貢献など広い範囲で交流、連携する予定。10月からは大阪税関の職員が関税の仕組みや国際的な経済連携協定(EPA)について講義する。共同研究では、大阪税関がまとめた貿易統計を大阪市立大学が分析し、中小企業や経済団体に提供することにしている。

大学ジャーナルオンライン編集部

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