実践女子大学 生活科学部 食生活科学科で食ビジネスを専門的に学ぶ学生たちが江戸時代の食の再現に挑戦した「下諏訪宿本陣EDO BENTO(えど・べんとう)」のお披露目会が、2025年10月8日、下諏訪宿本陣岩波家(長野県下諏訪町)で行われた。長年受け継がれてきた本陣の「献立書」の食材を使い、現代の食文化に合わせて磨き上げられ完成した弁当の味を学生ら約20人が確かめた。

 学生たちは下諏訪宿本陣岩波家に宿泊した第七次伊能忠敬測量隊一行の食事内容が記された『献立書』(1809年文化6年9月24日~27日)をもとに、文献を調べ、料理を再現し、地域と協力しながら料理の再現に取り組んできた。7月30日の試食会で学生たちが試作した弁当をもとに地元の名店「二十四節氣 神楽」料理長の武居章彦氏がプロの目で工夫を施し、主菜4品、菜6品、香の物の豪華版「本陣EDO BENTO」と、飯、主菜2品、菜5品、香の物のテイクアウト版「伊能忠敬測量隊BENTO」、飯、主菜1品、菜4品、香の物の若者向けの軽食用「EDO BENTO mini」の3種類の「下諏訪宿本陣EDO BENTO」を完成させた。

 お披露目会は築220年の岩波家本陣の和室で行われ、岩波家28代当主の岩波太左衛門尚宏氏が挨拶。卒業研究のテーマに今回のプロジェクトを設定して中心的に取り組んだ生活科学部食生活科学科食物科学専攻4年の小澤友唯さんと山崎結花さんが献立再現の過程を紹介した。古文書には料理名・食材だけしか記されていなかったため、江戸期の料理書を読み解き、調理法を推定したこと、試食会での課題、味の再調整の工夫などを具体的に説明した。

 試食後の意見交換では「学生の発想を地元料理人が生かしている」「地域に誇れる弁当になると思う」といった声が寄せられた。学生たちは、一人ひとり立ち上がり、「ここまで支えてくださった方々に感謝しています」「この経験を次につなげたい」と感謝の言葉を述べた。岩波太左衛門尚宏氏は、献立書を発見した当時を振り返りながら、「たった一枚の献立書から、ここまでのつながりが生まれるとは思っていませんでした。学生の皆さん、そして武居さんの力で、江戸の料理が現代によみがえりました。これは地域の文化を伝える“物語のある食”です」と感謝を述べ、さらに、「観光客の方にも提供できる形にして、地域の人たちが誇りを持てるようにしたい」と今後の展望も語った。

 今回の「EDO BENTO」開発は、単なる再現にとどまらず、地域と大学、学生と料理人が協働する新しい学びのモデルにもなり、今後、「本陣EDO BENTO」や「伊能忠敬測量隊BENTO」は本陣や観光施設で、また、「EDO BENTO mini」は日野キャンパスの「さくらカフェ」で提供していくことを検討する。また、学生たちは後輩へプロジェクトを引き継ぎ、改良を重ねながら“食による地域連携”をさらに広げていく。

参考:【実践女子大学】食生活科学科の学生が開発した「下諏訪宿本陣EDO BENTO」のお披露目会が長野・下諏訪町で開催!学生の試作品が地元の料理人の手で磨かれ、完成品に。(10/8)

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