2024年6月2日、実践女子大学、実践女子学園中学校高等学校は学園創立125周年を記念した特別事業「JISSEN Global Way~実践社会で育てるこれからのグローバル化~」を開催した。学園が教育の柱に掲げる「グローバル」をテーマに、フリージャーナリストの池上彰氏による基調講演のほか、学生や生徒によるパネルトーク、学園のグローバルプログラムも紹介された。

 「JISSEN Global Way」は年間を通して行われる4つの125周年特別事業の第2弾で、2部構成で行われた。第1部の池上氏の基調講演では、これまで取材などで90の国や地域を訪れた豊富な海外経験を基に、習慣や裁判、年金など 国の制度を紹介しながら多角的な視点で各国の事情や考え方の違いを詳しく解説。約800人の聴衆が聞き入るなか、「日本の良いところをアピールしようと世界に出ていくグローバルな人材になっていただきたい」と学生らに向けてエールを送った。

 続いて池上氏をコーディネーターに「『グローバルマインド』を身につけるには?」とのテーマでパネルトークを開催。実践女子大学の猪熊作巳学長補佐(文学部英文学科)から学園のグローバル化の取り組みが紹介された後、米ニューヨークで開かれた「模擬国連」の国際大会に参加した高校生や、カンボジアでインターンシップを体験した学生らが自身の体験や学びを披露してそれぞれの意見を述べた。大学の卒業生で、SBI金融経済研究所の政井貴子取締役理事長は「違う考えをリスペクトしたうえで、上手に自分の考えを伝えることがグローバル」と話した。

 第2部では、学園の「グローバル」に触れる、来場者参加型のイベント「JISSEN Global Fair」を開催。中高大のグローバル事業への取り組みが紹介され、参加者は英語による足し算などゲーム感覚で学園の授業を体験した。中国、韓国、オランダの留学生らとの対面での交流も和やかな雰囲気で行われた。

 実践女子学園は、一般女性の地位向上を図る目的で下田歌子が結成した「帝国夫人協会」によって1899年に設立された「実践女学校」と「女子工芸学校」に由来する。下田歌子は、1901年、他の女子教育機関に先駆けて清国(現在の中国)からの留学生を受け入れるなど国際的な視野を持っていた。

 実践女子学園はその精神を受け継ぎ、学園運営の大きな柱としてグローバル教育に注力してきた。2028年には学生の10%が海外渡航できるよう目標に掲げており、現地の課題解決やホテルでの就業体験などを取り入れた独自のグローバルインターンシップなど、様々な海外経験プログラムを用意している。

参考:【実践女子大学】実践女子学園の創立125周年の特別イベントが渋谷で開催!海外での豊富な取材経験を持つ池上彰氏がグローバルをテーマに記念講演し、約800人の聴衆が聞き入る

実践女子大学

優しさと強さを育む実践教育。人と社会を支える力へ

実践女子大学は、教育理念「品格高雅にして自立自営しうる女性の育成」を掲げ、社会で活躍するための能力を身に付けた自立した女性を育成。「都心の渋谷」「自然豊かな日野」の2つのキャンパスで、時代に合わせた実践的な学びを提供しています。演習(ゼミ)や実験・実習など、少[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。