千葉大学予防医学センターの中込敦士准教授らの研究チームは、全国のインターネット利用者の大規模調査を実施。生成AIの利用者は全体の約2割と判明し、「AI格差」が今後、学習機会、生産性、情報アクセスなどの格差を拡大させる可能性を示した。
生成AIは急速に普及し、日常生活や仕事を大きく変える可能性がある。しかし、生成AIを誰が使い、誰が使っていないのか、また使わない理由は何かを、全国規模で体系的に検証した研究はなかった。
そこで研究グループは、日本全国のインターネットを利用している18歳以上の成人1万3367人を対象にしたインターネット調査(2025年1月に実施)を用いて分析を行った。
その結果、生成AIの利用者は全体の21.3%(約5人に1人)。特徴としては、個人的要因では、若い世代(18〜54歳での利用率は75歳以上の約1.4〜1.7倍)、男性(女性の約1.8 倍)、「新しいものを受け入れやすい性格(開放性)」を持つ人で利用率が高かった。社会的地位要因では、高学歴(大学卒業者で約1.4倍、大学院修了者で約1.7 倍)、学生(約1.9 倍)や専門職(約1.6倍)、都市部居住者(約1.3倍)で利用率が高かった。
一方、非利用者で最多の理由は「必要性を感じない」(39.9%)、次が「使い方がわからない」(18.5%)。さらに、使わない理由は世代やデジタルリテラシーのレベルによって大きく異なり、若年層では「魅力的なサービスがない」、中高年層では「使い方がわからない」「セキュリティへの不安」「利用環境が整っていない」などだった。
今回の研究は、AI格差(AI活用による利益に生じる社会的格差)の実態を初めて全国規模で明らかにした。今後の教育政策やデジタル支援施策の立案に貢献することが期待されるとしている。
