静岡文化芸術大学(静岡県浜松市)文化政策学部の舩戸修一准教授と学生は、2016年5月より米作りプロジェクト「引佐耕作隊」を行っている。耕作放棄地だった棚田で収穫した米を、2017年1月31日より同大学の生協で販売している。

 浜松市北区引佐町(いなさちょう)久留女木(くるめき)には約800枚の田んぼがあると言われ、その美しい景観は「日本の棚田百選」「静岡県景観賞」にも選ばれている。この棚田は平安時代が起源と言われ、戦国時代に井伊氏(直虎の祖父)の庇護のもと開墾が進んだと言われており、古い歴史と文化を有する。2017年1月からNHKで放送されている大河ドラマ「おんな城主 直虎」のロケ現場にもなっており、風光明媚な景観を残している。しかし、現在は農家の高齢化や担い手不足のため、耕作放棄地が増え、農村景観が崩れ始めているのが問題となっていた。

 そこで、農村社会学を研究する船戸准教授と有志の学生らは「引佐耕作隊」を結成。耕作放棄地だった棚田3枚(500平方メートル)を地主から借り、雑草で荒廃した田んぼの草を刈り、6月に田植え、夏の炎天下で草取りなどを行った。そして秋に収穫し、販売まで漕ぎつけた。米の品種は「にこまる」で、販売価格は1袋300g(2合)で税込432円。“人間が生きていくために必要な食べ物を作り出してくれる棚田に感謝する”という想いが込められ「棚田の恵」と命名された。合計442袋が店頭にならび、売り切れ次第、販売終了となる。

 今回の米の売上金は2017年度の活動資金にあて、将来的には黒字化を目指しながら“大学生が棚田で儲ける”ビジネスモデルを構築するという。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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