大学入学共通テスト初日の「世界史B」の試験中に出題内容が不正に流出したとされる問題で、文部科学省は同様の事態が再び起きないようにするため、受験生の所持品確認、試験室内の巡視など対応の徹底を全国の国公私立大学に文書で要請した。

 文科省によると、文書は文科省大学入試室名。各大学で不正防止のための取り組みをこれまで実施してきたが、2021年6月の文科省高等教育局長通知に従い、受験生の座席の配置など試験室の設定の際の配慮、不正行為に対する罰則の周知、受験生の所持品確認、試験室内の十分な巡視など不正防止対策を徹底するようあらためて要請している。

 大学入学共通テストでは、初日の午前中にあった「世界史B」の試験中、出題内容がインターネットを通じて流出したことが明らかになり、その後大阪府の大学で受験した19歳の女子受験生が、母親に付き添われて香川県警に出頭した。この受験生は上着の袖に隠したスマートフォンで試験問題を動画撮影し、家庭教師紹介サイトで知り合った東京大学生らに静止画を通話アプリ「スカイプ」で送信したと供述している。

 画像を受け取った学生が大学入試センターに連絡して事件が発覚した。警視庁がこの受験生を偽計業務妨害の疑いで取り調べている。

参考:【文部科学省】令和4年度大学入学者選抜における個別学力検査等における不正行為の未然防止について(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

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