佐賀大学理工学部の冨永昌人教授らの研究グループは、京都大学の白井理教授らとの共同研究で、皮膚に貼るだけの超高感度なアルコールガスセンサを開発した。

 皮膚は極微量の各種有機ガスを放出している。そのため、特定の皮膚ガス検出センサには、特定ガスのみと反応すること、さらに超高感度であることが求められる。

 研究グループは、アルコールと特異的に反応する酵素を用いて、酵素の反応を直接的に電気信号に変換できる高効率検出デバイスを開発した。このデバイスは、約30ppb(ppb=10億分の1、1ppbは1立方メートル中に1立方ミリメートルの気体を含む状態)のアルコールガス濃度を検出できる。実際に手首にデバイスを貼り付けて、アルコール(15%日本酒、おちょこ約一杯の22.3 mL)を飲酒したところ、手首から放出されるアルコールガスを検出し定量することができた。

 検出部分は、定期的な交換が必要だがディスポーザブルタイプになっており(携帯型血糖値センサのようなイメージ)、生分解性のセルロース材とカーボン材から構成され環境負荷の低い素材を用いている。

 今後、高感度検出の安定性のためのデバイスの改良や、疾病と関連付けされている他の有機ガスの高感度検出にも取り組む予定としている。

参考:【佐賀大学】貼るだけ、皮膚からのアルコールを超高感度に検出

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