2023年6月9日、若い世代の東京一極集中を抑制するため、東京23区内の大学の定員増が制限されていることについて、内閣府と文部科学省は情報系の学部学科に限って例外とする共同命令の一部改正を施行し、全国の都道府県知事や政令指定都市の市長、国公私立大学長、大学や高等専門学校を設置する学校法人理事長らに文書で通知した。

 内閣府によると、通知は内閣府の淡野博久地方創生推進事務局長、文部科学省の池田貴城高等教育局長名。東京23区内の大学では定員増の抑制が続いているが、高度なデジタル人材の育成が喫緊の課題であるとして、情報系の学部や学科について限定的に対象外とするよう内閣府令、文部科学省令を改正した。

 対象外となる条件はデジタル社会形成基本法の人材育成に資し、理学または工学の分野に該当することを挙げた。この措置が東京一極集中の加速につながらないよう東京圏(東京都、神奈川、埼玉、千葉の3県)以外と連携することなども求めている。

 東京23区内の大学定員抑制は2028年度までの時限措置として実施されている。コロナ禍で一時、東京23区への流入に歯止めがかかる兆しが見えたが、コロナ禍が一段落して移動制限などが緩和されたのに伴い、再び流入が加速している。

 総務省によると、2022年の住民基本台帳に基づく人口移動報告で東京都は約3万8,000人の転入超過となり、超過数が拡大している。

参考:【内閣府】特定地域内学部収容定員の抑制等に関する命令の一部を改正する命令の施行について(通知)

大学ジャーナルオンライン編集部

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