滋賀県が2028年春、滋賀県野洲市で開校を目指す滋賀県立高等専門学校の初代校長予定者に、京都大学で副学長や理事を務めた経歴を持つ北村隆行京都大学名誉教授(69)を内定した。北村名誉教授は2024年10月1日付で滋賀県顧問、滋賀県立大学県立高専総合ディレクターに就任し、本格的な開校準備に入った。

 滋賀県立大学によると、北村氏は京都大学工学部、京都大学大学院工学研究科修士課程を経て電力中央研究所に務めたあと、工学研究科教授や副学長、理事、総長特別補佐などを歴任した。米航空宇宙局で研究員を務めたこともある。専門はナノ力学。

 北村氏が開校に向けて発表したコンセプトペーパーによると、滋賀県立高専の教育方針として、科学的知識とそれに基づく合理的行動を両輪とする知行同一の心を持って先端技術を磨き続けるエンジニアを育て、地域に貢献することを掲げている。

 高専は5年一貫のカリキュラムを通じて実験実習を中心とした技術者教育を行っており、四年制大学へ編入学する卒業生も多い。全国の高専は国立51校、私立は2023年4月に開校した神山まるごと高等専門学校(徳島県神山町)など4校、公立は東京都立産業技術高等専門学校、大阪公立大学工業高等専門学校、神戸市立工業高等専門学校の3校がある。滋賀県立高等専門学校が開校すると、全国で高専がない県は、神奈川県、埼玉県、山梨県、佐賀県の4県となる。

 滋賀県は11月30日(土)・12月1日(日)、「高専フェアinイオンモール草津」と題して近隣の国立高専が集結し、学校紹介や科学体験等を実施する。会場はイオンモール草津、事前予約不要、参加費無料。主に小中学生を対象に、学実験体験、工作体験、パネル展示、各高専PRブースほか高専の個別相談を実施する予定。

参考:【滋賀県立大学】滋賀県立高等専門学校の初代校長予定者として北村隆行氏を内定しました
【滋賀県】高専フェアinイオンモール草津

大学ジャーナルオンライン編集部

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