日本経済団体連合会(経団連)の榊原定征会長は2016年9月12日の定例会見で、2018年春入社となる現在の大学3年生について、採用面接の解禁日を2017年6月1日とすると発表した。

 経団連では、2017年春入社となる2016年の採用選考から、採用面接の解禁日を8月1日より2カ月前倒しした6月1日とした。2018年春入社も同じく6月1日を解禁日とし、採用選考に関する指針や手引きも変更しない方針だ。

 大学生の採用選考については、これまで雇用政策委員会を中心に、各社の活動実態や開始時期変更の影響の検証などを行ってきた。
2017年春入社の面接解禁日を6月1日に変更したことは、暑く長い就職活動を学生に強いるといったこれまでの問題が是正されたと概ね評価する声が多いという。
経団連のアンケート調査でも、回答企業の約70%が、2015年に比べ2016年のスケジュールが良かったと回答。大学側との意見交換においても、2015年より改善されたという声が聞かれ、学生側の大きな混乱も見られていないという。

 一方で、広報活動期間を5カ月間から3カ月間に短縮したことで、活動の早期化・短期化をもたらし、企業研究やマッチングなどの面で課題も残った。

 また、留学生や教育実習生への配慮について、留学生向けには企業が別途採用枠を設ける、海外で企業説明会を開催するなどの対応により大きな問題は生じていないという認識だという。教育実習生については、面接を平日の夕方や土日に行うなど多くの企業が様々な配慮を行っていたが、それでも都合をつけられなかった実習生もいたため、さらなる対応を検討する考え。

 2019年入社以降のスケジュールついてはもう少し時間をかけて検討し、2017年の春までには公表したい意向を示した。今の時点では何も決めておらず白紙の状態で、あらゆる選択肢を議論の俎上に上げて、関係機関とも連携を図りながら、議論を行っていくとした。

参考:【一般社団法人 日本経済団体連合会】記者会見における榊原会長発言要旨

大学ジャーナルオンライン編集部

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