京都大学大学院医学研究科の森雄一郎博士課程学生と広島大学大学院医系科学研究科の福間真悟教授らの研究グループが、全国健康保険協会加入の就労世代約1,200万人の健診データを分析したところ、心房細動の発見が将来の脳梗塞、心不全リスクを大幅に高めることを見つけた。
研究グループは全国健康保険協会に加入する35~59歳の男女約1,200万人の健診データ(2015~2020年)を分析、過去に心血管疾患になったことがない約950万人のうち、心房細動が発見された人の医療データを3年間追跡した。
それによると、健診で心房細動が発見された人は年間約2,400人に1人に当たる1万1,790人いた。健診後3年間に脳梗塞で入院した人は1.83%、心不全で入院した人は3.87%、死亡した人は0.78%。リスク増加は脳梗塞5.38倍、心不全18.35倍、死亡1.98倍となった。研究グループは健診で偶然見つかる心房細動を重大な病気の前触れとみている。
心房細動は心臓の上部にある心房がけいれんするように不規則に細かく震える不整脈の一種。自覚症状がない場合も多いが、心臓に血栓ができやすくなって脳梗塞の主原因になるほか、心臓のポンプ機能を低下させて心不全を引き起こすことがある。
研究グループは心房細動が見つかっても服薬や手術が必要かどうかは医師の判断によるが、心臓の健康を見直す重要な機会と考える必要があると提言している。

