一般財団法人パルシステム若者応援基金は、2025年11月に給付型奨学金の新たな対象者12人を決定し、これまでの奨学生は延べ109人となったと発表した。今回新たに採用された12人は、パルシステムの活動エリアを中心に暮らし、短大・大学・専門学校などに通う学生。奨学金は利用者からの募金を原資として、対象学生に毎月4万円が給付される仕組みとなっている。
パルシステム連合会とグループ10生協が設立した同基金の奨学金制度は、金銭的支援にとどまらず、地域の支援団体による「伴走型支援」が組み合わされている点が特徴。奨学生たちはいずれも経済的困難に加え、家庭内暴力やネグレクト、家族の病気といった複合的な問題に直面しており、継続的な支援を必要としている。そこで学生を推薦した支援団体が生活相談やメンタル面のサポートを行い、卒業まで継続的に見守る体制を整えている。さらに産直産地での農業体験やボランティア活動などの社会体験プログラムを用意し、学業以外の経験を通じて多様な人とのつながりを広げる機会を提供している。
このように、資金支援と伴走支援、社会体験の三つを組み合わせて卒業と自立を総合的に支える仕組みは、2025年度のグッドデザイン賞を受賞している。
受賞にあたっては、パルシステムが持つ広域の組合員ネットワークを活かした資金調達力と事業継続性も評価された。2025年度の利用者からの寄付額は10月末時点で3,359万9,379円に達し、制度開始以来の累計募金額は2億3,564万6,676円となっている。毎月一定額を寄付する「奨学生応援サポーター」は2025年10月末時点で1万1,675人に上り、サポーターからは奨学生への応援メッセージも数多く寄せられており、「多くの大人や団体に支えられている」という実感が、学生にとって生活上の安心感や自己肯定感の向上につながっているとされる。また、法人サポーター13団体からの寄付も運営費として活用されており、継続可能な支援体制の基盤となっている。