2026年1月3日、岡山大学学術研究院環境生命自然科学学域(農)の宮竹貴久教授は、1990年代後半から世界に先駆けて研究を進め、2001年以来研究成果を公表し続けてきた動物の捕食者回避行動「死んだふり」について、世界で初めて包括的に整理した英文書籍を刊行した。

 「死んだふり」という捕食者回避行動は、動物界に広く見られるにもかかわらず、長年十分な体系化が行われてこなかった。「死んだふり」が生き延びる上で本当に役に立っている行動なのかはダーウィンとファーブルが証明したいと望んだにもかかわらず、2004年まで実証されていなかった。

 今回刊行された英文書籍は、宮竹教授が25年以上にわたり蓄積してきた「死んだふり」行動に関する研究成果を基盤に、行動学・生理学・分子生物学を横断した学際的視点から徹底解析。これまでに出版された世界中の動物の「死んだふり」研究や、自身の甲虫類を対象とした実験研究を豊富なデータとともに紹介し、進化的意義、生物群を超えた普遍性、生理的・遺伝的メカニズムをわかりやすく整理した。人(ヒト)のPTSD、パーキンソン症候群、トラウマによるフリーズ現象と不動を伴なう死んだふり行動の関わりに関する一連の研究など工学・情報学・医学など異分野の知見も積極的に取り入れ、「死んだふり」研究の「現状」と「未来」を提示する内容となっている。

 宮竹教授は「1997年に甲虫を指でつつくと動かなくなる行動が面白い!と思った瞬間から現在まで、<死んだふり>の研究をずっと続けてきました。世界の誰も解明していない現象について、あれやこれやと約30年間調べ続けると、ついに一冊の英語の本になりました。学生の皆さんには、面白い!と思う気持ちを大切にしてほしいです。」と話している。

 書籍のタイトルは「Death Feigning Mechanisms, Behavioral Ecology and Implications for Humans(邦題名:死んだふり:メカニズム、行動生態学、そして人間への示唆)」。Springer Nature Linkにオンライン掲載されている。

参考:【岡山大学】“死んだふり”研究の集大成となる英文書籍を刊行―世界初、死んだふり行動を体系的にまとめた決定版―

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