防衛医科大学校の中山昌喜教授らの研究グループは、9000人を超える日本人男女の遺伝子解析から、痛風や高尿酸血症に影響する遺伝子の個人差を明らかにした。生活習慣病であっても遺伝子の個人差に基づく減量を支える「ゲノム個別化看護」が可能であることを示した。

 足の親指に突然の激痛をもたらすことで知られる「痛風」は、血液中の「尿酸値」が高い状態である「高尿酸血症」が続くことで発症する。痛風や高尿酸血症は生活習慣病であり、日本には痛風患者が135万人、高尿酸血症患者が1000万人いるといわれる。痛風や高尿酸血症の予防には、看護ケアによる生活習慣の是正が効果的と実証されているが、遺伝子の個人差は考慮されていなかった。

 研究グループは、日本人男女9244人(男性4778人、女性4466人)の遺伝子解析から以下を明らかした。(1)日本人集団において高尿酸血症を発症する原因の3割は遺伝子(ABCG2遺伝子)の個人差にあり、これは肥満や多量飲酒、加齢よりも大きな値であること、(2)遺伝子の個人差や体重、飲酒量、年齢のいずれもが尿酸値に影響すること、(3)遺伝子の個人差の影響は減量など環境要因の是正により打ち消せる大きさであり、この特徴を利用した看護ケアが可能であること、の3点。

 これまでの「遺伝子と看護ケア」は遺伝性疾患やがん遺伝子を主な対象としてきた。しかし、痛風や高尿酸血症といった生活習慣病でも、遺伝子の個人差に基づく減量を支える看護ケア、といった「ゲノム個別化看護」ができることが今回の研究で明らかになった。今後、痛風・高尿酸血症の患者や、尿酸値が気になる人に向けて、具体的な看護ケアの方法の検討が進められる予定としている。

論文情報:【Human Cell】Dysfunctional variants of ABCG2 create strong individual and population risks for progression of hyperuricemia: the potential for implementation of genome-personalized nursing

大学ジャーナルオンライン編集部

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