コロナ禍でテレワークが拡大する中、正社員の8.0%が週に1度以上の頻度でインターネットを介したネットいじめを職場で受けていることが、筑波大学医学医療系の堀大介助教らの調査で明らかになった。中でも従来型いじめとネットいじめの両方を受けている人はメンタルヘルスへの影響が重篤になりやすいという結果が出た。

 筑波大学によると、堀助教らの研究グループは2021年1月、休職中でない20~64歳の正社員を対象に職場でのいじめに関するウェブ調査を実施、男性800人、女性400人の回答を分析した。

 その結果、全体の8.0%が週に1度以上の頻度でネットいじめ、11.3%が従来型いじめを受けていると答えた。典型的ないじめのパターンは、ネットいじめだと電話や電子メール、メッセージの無視、従来型いじめでは仕事に影響を及ぼす情報を与えられないことだった。ネットいじめを受けることに有意な関連が見られたのは、年齢の若さや管理職であること、困難な業務に取り組んでいること、テレワークの頻度が多いことなど。

 さらに、いじめを受けていないグループと従来型いじめを受けているグループ、従来型とネット両方のいじめを受けているグループを比較したところ、従来型とネット両方のいじめを受けているグループにメンタルヘルスに対する最も高い悪影響が見られた。

 コロナ禍でテレワークが広がる中、ネットいじめの増加が世界的に懸念されるようになってきたが、日本ではネットいじめの実態やメンタルヘルスへの影響について明らかにされていなかった。

論文情報:【BMC Public Health】Prevalence, characteristics, and psychological outcomes of workplace cyberbullying during the COVID-19 Pandemic in Japan: A cross-sectional online survey

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