がんやがん治療などによる身体の一部欠損や外見の変化に対処するアピアランスケアを「補う」から「なりたい自分を表現する」デザインへ再定義する授業が、多摩美術大学で始まっている。デザインとアートの視点から福祉や健康に関する概念を更新する意欲的な取り組みだ。
多摩美術大学によると、この授業は「肌再現とアピアランスケア研究」。東京都のマッチング支援を受け、装着式人工乳房を販売するカノアクルー(東京都三鷹市)を協力企業に迎え、授業をスタートした。講師はカノアクルーと歯科技工士の本間理恵さんが務め、人工装具の専門知識とデザイン、アートの視点からアピアランスケアを再構築する。
これまでの福祉やケアでは、がんなどで失った身体の欠損や外見の変化を元の状態に近づける考え方が中心だったが、多摩美術大学は本人が「こうありたい」と願う姿を実現する身体拡張ととらえ、自分の意思で自分を演出することによって生活の質向上を目指している。
がん治療などでは手術で乳房など身体の一部を切除することがあるほか、脱毛や肌の変色、手術の傷跡など外見に変化が生じることが患者の悩みの種になってきた。これに対応するのがアピアランスケアだが、患者の悩みに応えられる対処ができていないとの指摘も上がっている。
参考:【多摩美術大学】「補う」から「なりたい自分を表現する」デザインへ。多摩美術大学、アピアランスケアを「身体拡張」と再定義する産学共同授業を開講
