創立120周年を迎えた2021年を機に、都心にある創立の地目白キャンパスへの全学部統合や学部学科の再編を進めてきた日本女子大学。22年度の理学部2学科の名称変更を手始めに、23年度からは3年連続で、国際文化学部、建築デザイン学部、食科学部と、新学部を開設。26年度には入試改革と文学部の新体制移行、27年度には経済学部(仮称)の設置を構想(※)しており、総合大学としての教育体制をより充実したものにする。篠原聡子学長に大学改革の取り組みや目指すところを聞いた。
※本計画は構想中であり、内容は変更となる場合があります
2027年度には8学部16学科の総合大学へ。
専門性を高め、多様な学びを支える環境をより充実させる
「女子大学だからという理由ではなく、ここで学びたいものがあると言う学生に選ばれる大学でありたい」と言葉に力を込める篠原学長。大学のミッションを「混沌とした現代において、人としての豊かさに目を向け、よりよい社会づくりに貢献できる人材を育成すること」と語るとおり、一連の学部学科再編では、専門性を高めるとともに現代社会に即した多様な学びを充実させている。
たとえば、25年度までに3つの新学部を開設しているが、これは長年にわたって日本女子大学で培われてきた学問領域を学部として独立させることでより専門性を高め、その専門性から“生活の豊かさ”を見る視座を養うことを目指したもの。
国際文化学部では、“脱教室・脱キャンパス”を実践し、海外短期留学などを通じて多文化共生を学び、グローバルな視点を養う。建築デザイン学部は、家政学部住居学科を基に人文、理工、芸術を融合し、“住まう”ことを総合的な学問の視点から学ぶ。家政学部食物学科を発展させた食科学部は、生活者の視点で“食”を科学的に学ぶ食科学科と、医科学的視点で“食”を学び管理栄養士を目指す栄養学科を設置している。
さらに今後、26年度には、文学部を新体制へ移行。27年度には、経済学部(仮称)の設置も構想中だ。経済学部では、経済学や経営学の理論から、応用、実践まで、幅広く学ぶことができる。少人数の演習授業や学外での実践的学びの機会も多く、現代を生き抜くのに欠かせないデータ分析力、自らのキャリアを切り拓くアントレプレナーシップなどを身につける。
「2027年度には、日本女子大学は8学部16学科の総合大学となります。全学部の学生が学ぶ都心立地の目白キャンパスという環境を活かして、各々の専門を強みとしながらも、学部学科の枠を超えた文理融合の主体的な学びや交流を深められる環境を、より一層充実させていきます」と篠原学長は力強く語る。

2026年4月、文学部が新体制へ。
AIを使いこなし、デジタル時代の人文学を実現する
直近のトピックは、26年度に生まれ変わる文学部だろう。変革のキーワードは“デジタル時代の人文学”だ。「生成AIとの対話が日常的に行われるようになった今、デジタル技術の活用に文理の垣根は関係ありません。本学の文学部は、“デジタル時代の文学部”としてバージョンアップし、デジタルツールを駆使した学びを進めていきます。人文学的な学問分野は意外とAIとの親和性が高く、伝統と革新の融合によって創出される新たな知に期待を寄せています」と篠原学長。
例えば文学部には、各学科に所属しながら学生の希望により選択できる副専攻(コース制)があるが、既存の「文化マネジメントコース」「観光・文化コース」「文化財コース」に加えて、25年度から「デジタル時代の人文学コース」を開設し、データベースや画像解析といったスキルのほか、AI時代をいかにしてよりよく生きるかを深く学べる環境が整った。もちろん、コースごとに就職や資格習得に役立つ専門スキルを身につけることができるよう工夫されている。
なお新体制では、これまでの日本文学科を「日本語日本文学科」へ、史学科を「歴史文化学科」へ名称変更し、「英文学科」で構成する3学科体制となる。名称変更する2学科は、それぞれ学修内容をより明確に学科名に反映したかたちだ。
また多様な学びの一環として、英文学科では2024年度から学科独自の「グローバル・リーダーシップ・プログラム」をスタート。英文学科であれば誰でも2年次から履修でき、国際人として不可欠な教養を英語で学び、現代社会が抱えるさまざまな課題にコミットメントできるスキルを習得する。4年次には探究の成果を英語でプレゼンテーションする機会も設けている。
篠原学長は、今この時代に女子大学で学ぶ意義を「女性だからといって強いられることも許されることもない空間で、一定期間学ぶことで身につくタフネスがある」と強調している。大学改革を実行し、より専門性を高め、多様な学びの環境を整える同大学で、自分自身の可能性を試してみてはどうだろう。

2026年度入試から新しい一般選抜入学試験を導入。
全ての学部学科で複数日受験が可能に
日本女子大学では入試改革にも乗り出している。26年度の入学試験から、ひとつの学部学科を複数日受験できるようにするほか、入学検定料併願割引の適用範囲を拡大し、より柔軟な受験機会を提供する予定だ。
具体的には、一般選抜(個別選抜型・英語外部試験利用型)において、ひとつの学科を複数日受験することが可能になる。選択科目が合致すれば複数の併願ができるため、最大で計9回の受験機会を得られることになる。また受験科目についても、自分の得意科目で試験に臨めるよう、学科ごとに選択できる科目を増やす。同時に、試験対策の負担を考えてすべての科目で試験時間を一律70分に設定するなど、受験生が十分に実力を発揮できる環境を整えるという。最新の情報は、同大学の入試情報をチェックして欲しい。


日本女子大学
篠原 聡子学長
