2027年度入試の私立大学の総合型選抜など年内入試の募集要項の公開がはじまっています。一般選抜についてもすでに公開している大学もありますが、多くは9月以降の公開になり、準備を進めています。一般選抜の募集要項公開のまえに、2026年度入試で注目を集めた学部について入試結果を見ながら振り返ってみたいと思います。

 2026年度入試は、前年度に続き、成長分野であるデジタル・グリーンに関連する情報系や文理融合系の学部が多く新設されました。これらの学部の一般選抜には、「●●型」と「〇〇型」のような入試を設定しているものが見られます。

 このコラムでは、編集部が注目していた2026年4月新設の学部学科を3学部を取り上げて、一般選抜の結果がどうだったかを見てみたいと思います。

 

東京理科大学 創域情報学部 一般選抜で 「C系(Computing)」と「D系(Data Integration)」の2系があるが、どちらに志願者が集まったか?

 東京理科大学は、2026年4月に創域情報学部(野田キャンパス)と、理学部第一部 科学コミュニケーション学科(神楽坂キャンパス)を新設しています。この中の、創域情報学部は、1993年の経営学部以来33年ぶりの新学部となっており、情報理工学科の1学科を設置。一般選抜は、C系(Computing)とD系(Data Integration)と共通コースに分かれている。共通コースでの入学者は、2年次に進級する際に C 系・D 系(及び各系のコース)への振り分けが行われる。

 共通テスト利用入試であるA方式は、4教科型と3教科型が共通コース、2教科+英語資格検定はC・D系に分かれて入試を実施。大学独自試験であるB方式は、共通コースがなく、C・D系のみで実施。

 C系は、CPU設計、プログラミング言語、オペレーティングシステム、ネットワーク、ソフトウェア工学、量子コンピューティングなどを扱う「コンピュータ科学コース」と、人工知能、大規模自然言語モデル、ロボット、セキュリティ、量子アルゴリズムなどを扱う「知能メディアコース」が2年次より選択できる。D系は、データマイニング、統計分析、医療統計、生命情報などを扱う「データ科学コース」と、経営システム、医療マネジメント、ファイナンス、環境、防災などを扱う「社会システムコース」の選択が可能となっている。

 出願結果は、共通テスト利用入試A方式で、募集定員各12名に対してC系243(約20.3倍)・D系105(約8.8倍)、大学独自試験B方式で、募集定員各48名に対してC系1588(約33.1倍)・D系1047(約21.8倍)となり、C系(Computing)の方が出願が多い結果となった。河合塾の学部系統別偏差値表では、C系は工学系に、D系は理学系に分類されていたことも影響があったかもしれません。来年度は、この結果を見て変化する可能性もあるが、初年度はC系の希望者が多かったようだ。

立教大学 環境学部 一般入試で「文系型」と「理系型」の2種類があるが、どちらに志願者が集まったか?

 立教大学は、2026年4月に環境学部(池袋キャンパス)を新設しています。自然科学・社会科学・人文科学の知識で持続可能な世界に貢献する人材を育成する環境学科の1学科を設置。一般入試では数学なしでも受験できる「文系型」と、数学Ⅲ・Cまで必須になっている「理系型」があり、大学入学共通テスト利用入試では数学なしでも受験できる「3科目型」と、数学が必須の「4科目型」と「6科目型」がある。

 文系・理系に関わらず、自分の興味のままに環境総合系、人文・社会科学系、自然科学・工学系から横断的に学びを選択することが可能で、履修モデルとしては「総合的な学び」「人文・社会科学系」「自然科学・工学系」の3つが例として挙げられている。

 出願結果は、一般入試「文系型」で、募集定員45名に対して775(約17.2倍)、「理系型」で募集定員45名に対して768(約17.1倍)となり、「文系型」と「理系型」がほぼ同じ出願数という結果となった。大学入学共通テスト利用入試の方は、募集定員25名に対して「3科目型」で760、「4科目型」で277、「6科目型」で270となり、数学必須かどうかで分けると、「3科目型:760」に対して「4科目型+6科目型:537」となる。若干数学なしで受験できる3科目型の出願数が多いが、大きな差にはなっていないという結果になった。

成蹊大学 国際共創学部 環境サステナビリティ学専攻 一般選抜で「数学選択型」と「数学必須型」があるが、どちらに志願者が集まったか?

 成蹊大学は、2026年4月に国際共創学部(東京都武蔵野市吉祥寺北町)を新設しています。「文理複眼」の思考を養う専攻を横断した学びを特長とし、人の営みそのものを学ぶ「国際日本学専攻」と、自然環境や地理といった人と社会を取り巻く「環境」を探究する「環境サステナビリティ学専攻」の2専攻を設置。一般選抜では、大学独自試験であるA方式(3教科型学部個別入試)とE方式(2教科型全学部統一入試)、共通テスト利用のC方式(3教科型)、共通テストと大学独自試験を組み合わせたP方式(5教科型)の4つの方式が選択でき、その方式や専攻により受験科目が大きく異なる入試となっている。 「国際日本学専攻」「環境サステナビリティ学専攻」の2専攻のうち「環境サステナビリティ学専攻」 は数学必須入試が設定されていることで、特に注目が集まりました。

 「環境サステナビリティ学専攻」の出願結果は、大学独自試験A方式(数学Ⅱ・Bまで選択)で、募集定員各23名に対して348(約15.1倍)、2教科型(数学Ⅲ・Cまで必須)となるE方式では、募集定員各5名に対して96(約19.2倍)という結果となった。共通テスト利用C方式(共通テスト数学Ⅱ・Bまで必須)では、募集定員各10名に対して192(約19.2倍)、国公立併願者も多い共通テスト5科目と大学独自試験の併用型であるP方式は、募集定員各5名に対して65(13倍)となった。

 数学が選択か必須かで分けてみると、数学選択の大学独自試験A方式が348、数学必須となるE方式・共通テスト利用C方式・共通テスト併用P方式の合計が353となり、ほぼ同数という結果になっている。

注目される情報系や文理融合の学部、入試科目は早期から調べておく必要あり

 近年では「共創」「創発」の考え方が浸透し、異なる学問領域を融合することは特別なことではなくなっています。成長分野である「デジタル(情報)」「グリーン」に関する学部・学科が増え、それぞれの分野がさらに細分化されることや、文理融合の学びが一般的になりつつあります。

 こうした動きに合わせて入試も変化し、C系とD系、文系型と理系型など、これまで一部の大学でしか採用されていなかった入試方式が広がる傾向が見られます。特に文系型と理系型では入試科目が大きく異なる場合もあるため、できるだけ早い段階から調べておく必要がありそうです。

大学ジャーナルオンライン編集部

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