仏教の知恵と歴史の探究が融合 社会の「今」を拓く実践の場へ
歴史学科の改編も、学びの領域を大きく広げる意欲的な内容だ。東洋史学専攻では、従来の中央・東アジアから、地中海世界を含むユーラシア全域へと対象を拡大。より広い視座を養うとともに、アジアの考古学や美術史の知見を東洋史学の枠組みに融合させる。「文献に基づく歴史学に、『物』を通じた視点を加えることで、学生がフィールドで成長する『動く歴史学』を実現したい」(安藤学部長)。
一方、高い人気を誇る文化遺産学専攻には、新たに「無形文化遺産学」を新設。これまでの有形文化財を中心とした学修に、伝統芸能や工芸などの「技」を扱う無形文化の視点を加える。「日本の大学で無形文化遺産を体系的に学べる場は極めて稀であり、本学が先駆的な立場を担うことになります。千年以上の歴史と伝統が息づく京都という環境も、この学びを深める上での強みとなります」(安藤学部長)。
不透明な社会を生き抜く 「言葉」の力と「寛容さ」を涵養
すべての基盤となる「言葉」を学び、「言葉のプロフェッショナル」へ。これは、龍谷大学文学部の教育目標である。日本語、外国語を問わず、人間のあらゆる思考の根源には言葉がある。だからこそ、言葉を媒介とする文学部の学びには、時代に左右されない価値があるというのが、安藤学部長の考えだ。
そのうえで、「仏教」という強固な軸を持つ点が、龍谷大学ならではの強みだ。「大学の長所はさまざまですが、仏教に関しては本学こそが日本を代表する最高学府であるという自負があります。仏教には、一神教とは異なる寛容さがあり、『ぶつかる』ことを良しとしません。戦争や分断が未だに絶えることのない現代だからこそ、本学で仏教に根ざした学びを得る意義は、決して小さくないと考えています」(安藤学部長)。
宗教としての枠を超え、人間や世界の平和を考えるためのリテラシーとして仏教を学び、グローバル、あるいはローカルな現場で活躍する資質を磨く。たとえ仏教そのものを専門的に志望せずとも、多角的な視点と揺るぎない自己を確立する。この場所は、真の「総合的な人間力」を育むための、最良のフィールドになるはずだ。
※2027年4月より、「深草キャンパス」は「京都深草キャンパス」、「大宮キャンパス」は「京都大宮キャンパス」、「瀬田キャンパス」は「びわ湖大津キャンパス」に名称変更。あわせて、びわ湖大津キャンパスに環境サステナビリティ学部、および情報学部を新設。

龍谷大学 文学部長
安藤 真次郎教授
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