大学で得た知識やスキルを何のために生かしていくか
学びの場のキャンパスは、地域との交流にも開かれている。北門沿いに設置された「地域連携室(コミュ・ラボ)」では学生が地域の高齢者向けのスマートフォン教室を開いたり、近隣の保育園や幼稚園の子どもたちを招いたりしている。多様な属性の人々が行き交うことが、キャンパスの豊かさにつながっているというわけだ。
「社会学部の学生の1人が『老人福祉施設の実習で、先輩が汚れたおむつを事も無げに替えているのを見て、かっこいい、ああいう風になりたいと思った』と話していて、感動を覚えました。福祉の仕事に就くかどうかは別として、こういう人間性が社会では求められていますし、こういった感覚を持った学生を送り出せることが大切だと感じます」と木越学長は話す。
誰しもいずれは社会へと巣立っていく。「卒業後はあの職業に就きたい」「あの会社に入りたい」と考える人もいれば、「たくさん儲けたい」「偉くなりたい」と考える人もいるだろう。そこには正解も不正解もないが、「一番大事なのは、身に付けたスキルや財産や地位を何のために使うかということ。その『何のため』を考えるきっかけとして釈尊の思想がありますし、それもまた『寄りそう知性』なのだと思います」
遠い将来の仕事よりも、これから受験する大学を選ぶことで頭がいっぱいという高校生と、その保護者に向けて、木越学長はこう呼びかける。
「大学の選び方を間違えないでください。大学の知名度や偏差値を調べる前に、まずは自分自身を見つめて、将来はどういう風に生きたいのか、どのようにして社会に貢献していくのかを考えてほしい。漠然としていても良いのです。自分の人生について考えて、それから自分に合う大学を探す。これが本来の大学選びの順序だと思います」

