中央大学、日本女子大学、東北大学は、赤ちゃんの言語以前の脳内メカニズムを探る共同研究「乳児のカテゴリカル色知覚の脳内処理」に関する研究成果を発表しました。従来の仮説を覆し、言葉が分からない乳児にも色を認知、区別する脳活動があることを発見しました。

 知覚や思考が言葉の影響を受けるという「サピア=ウォーフ仮説」は、心理学や言語学、文化人類学などの多分野で古くから浸透してる仮説です。その仮説で提唱されている「色知覚も言葉が決定する」という考えに対し、中央大学、日本女子大学、東北大学の研究チームは世界で始めて、言葉が分からない乳児における色カテゴリの存在を証明しました。つまり、言葉がわからない乳児期にも色を認識、区別することができる「カテゴリカル色知覚※」に対応した脳活動が存在し、その神経基盤は後側頭領域にあることが研究により明らかになりました。これは、従来の「サピア=ウォーフ仮説」を覆す発見となりました。

 実験では、言語獲得以前の乳児を対象に、生体細胞を透過しやすい近赤外光「近赤外分光法(NIRS)」を使用し、カテゴリカル色知覚に関連した脳内処理の有無を調べました。具体的な方法は、乳児が同じ緑カテゴリの2色変化と、青と緑の異なるカテゴリの2色変化を観察したときの後側頭領域の脳血流反応をNIRSによって計測。その結果、同じ緑カテゴリの変化と比べ、青と緑の異なる色の変化を観察する際、より強い脳活動が確認されました。また、言葉を獲得した成人においても類似した脳血流反応が存在することも確認され、言語獲得の有無にかかわらず、カテゴリカル色知覚に関わる脳内処理は存在し、言語システムとは独立していることが証明されました。

※カテゴリカル色知覚とは、微妙に異なる複数の色を同じカテゴリとしてまとめ、色名を付けて認識している知覚現象です。色味が微妙に異なっても、いくつかの緑を同じ「緑」というカテゴリとして認識します。

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大学ジャーナルオンライン編集部

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