慶應義塾体育会矢上部硬式庭球部の発田志音コーチら硬式庭球部の研究グループは、部員確保の決め手を効果的な広報戦略とする研究論文をまとめた。口コミとSNSをうまく活用した結果、部員確保に成功したとする内容で、研究成果が国際学術誌「ITF コーチング&スポーツ・サイエンス・レビュー」に掲載された。

 慶應義塾大学によると、2020年に始まった新型コロナウイルス感染症の拡大で、対面による体育会の新入生勧誘が一時中止になる中、硬式庭球部はイメージ動画の制作や旧ツイッターでの情報発信などICTを使った広報活動で部員を確保した。

 研究グループがアクセス解析や学生への質問紙調査などで結果を検証したところ、入部の決め手は「充実した練習環境」と「学業との両立」で、それを知るきっかけは知人からの口コミが58.7%、旧ツイッターが39.1%、公式ホームページが15.2%、インスタグラムが13.0%だった。

 交流体験会などはオンラインで実施され、かなり制約があったものの、研究グループはICTを使った広報戦略が制約を補う形となったとみている。これまで学生団体による広報戦略の研究はほとんどなかっただけに、効果的な方法確立への一歩と期待されている。

 慶應義塾体育会矢上部硬式庭球部は1939年に設立された藤原工業大学(現慶應義塾大学理工学部)の鍛錬部を前身にした組織で、関東理工科大学テニスリーグで男女とも1部に在籍している。

論文情報:【ITF Coaching & Sport Science Review】Public relations strategy in a Japanese college tennis team during COVID-19: Factors for joining the team

慶應義塾大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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