株式会社産業革新機構は、汎用型人工知能「SOINN」を活用したソリューションを提供するSOINN株式会社へ今後の事業推進に必要な資金として、2.5億円を上限とする出資を行うことを決定しました。また、西武しんきんキャピタル株式会社もSOINN株式会社への出資を決定しています。

 SOINN株式会社は、東京工業大学の長谷川修准教授が研究を進める学習型汎用人工知能アルゴリズム「SOINN(Self-Organizing Incremental Neural Network:自己増殖型ニューラルネットワーク)」を基礎に、その社会実装の開発や運用を行うことを目的に2014年に設立された大学発ベンチャー企業です。

 「SOINN」は、従来のサーバー上で人工知能ソフトウェアを稼働させ、携帯電話や各種センサーなどのクライアント端末と通信し合うサービスと異なり、柔軟性の高さ、情報処理の軽さ、学習ロジック進化の自律性といった特長をもち、クライアント端末に人工知能を組み込むことが可能で、膨大なデータが端末側で生成されるIoT(Internet of Things)時代に適した技術といわれています。2013年には、優れたコンテンツ技術に贈られる経済産業省の「Innovation Technologies 2013」特別賞を受賞し、水害予測や需要予測などで多くの企業、業態へのデータ解析に活用されています。

 今回出資を決定した株式会社産業革新機構は、SOINN株式会社に対して資金だけでなく、社外取締役の派遣などを通じて、事業の更なる拡大および事業運営などの経営サポートを行い、日本発の人工知能技術のプラットフォーム化、グローバル展開の実現、新たなサービスの創出を支援していく考えです。

大学ジャーナルオンライン編集部

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