東京医科大学の研究グループは、理系学部におけるアカデミック・ハラスメント(以下「アカハラ」)加害者の心理傾向を測定する「アカデミック・ハラスメント傾向尺度:理系アカデミア版」を新たに開発した。

 研究現場で発生するアカハラには、加害者側の心理的特徴が関与していることが指摘されている。さらに、所属する学部や専門分野によっても、その心理傾向が異なる可能性が示唆されてきた。

 今回、研究グループは理系研究者に焦点を当て、アカハラ加害者の心理傾向を可視化する初の尺度を構築した。はじめに理系研究者55名を対象に予備調査を行い、141項目の尺度原案を作成した。続いて、理系学部の大学院生や教員500名を対象に本調査を実施し、最終的に57項目の質問で構成される尺度にまとめた。

 完成した尺度は、「自己中心的特権意識」、「エイジズム(年齢に対する偏見)」、「情緒制御困難性」の3因子から成る。信頼性については内部一貫性と再検査信頼性の双方で高い水準を示し、安定した測定が可能であることを確認した。また、既存のハラスメント関連尺度との有意な関連も認められ、妥当性も実証された。

 今回の成果により、アカハラ加害者の心理傾向を体系的に測定・可視化できるようになったことで、組織におけるハラスメントの兆しを早期に発見し、予防につながることが期待される。研究グループは今後、理系学部以外の分野でも調査を進めるとともに、アカハラ行為が顕在化する条件の解明を目指し、アカハラ予防に資する職場づくりや教育プログラムの開発に取り組むとしている。

論文情報:【Journal of Academic Ethics】Development of the Academic Harassment Tendency Scale for Science Academia

東京医科大学

大学ジャーナルオンライン編集部

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