長崎大学の研究グループは、全国薬剤卸データをもとに、ロタウイルスワクチンやおたふくかぜワクチンなどの接種割合を推定した。
ワクチンには、予防接種法に基づく定期接種と、そうでない任意接種がある。これまで、日本では任意接種ワクチンの全国的な接種割合を示すデータが存在しなかった。
そこで本研究では、ロタウイルスワクチン、ヒブワクチン、四種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風・百日せき・ポリオ混合ワクチン)、おたふくかぜワクチンの4種類について、2011年10月~2022年3月の月ごとの接種割合を推定し、定期接種化された期間の世界保健機関(WHO)および国連児童基金(ユニセフ)の報告値と比較した。
推定には、国内カバー率99%を誇るIQVIA IMSBase Japan Pharmaceutical Market (JPM) databaseの全国薬剤卸データを使用。各ワクチンの卸データを接種回数で割ることで接種者数を算出し、さらに対象人口(その月に新規に接種対象となった人口)で割ることで接種割合を求めた。
ロタウイルスワクチンは2011年の任意接種開始後に推定接種割合が上昇し、2020年10月の定期接種化以降は0.9前後で推移した。ヒブワクチンは2008年の任意接種開始から数年で1.0に達し、定期接種化(2013年4月)後は一時的な上昇を認めてから1.0前後の横ばいで推移した。四種混合ワクチンは2012年から定期接種として始まり、2014年以降は1.0前後で安定した。一方、任意接種のおたふくかぜワクチンは2011年10月~2021年4月にかけて緩やかに推定接種割合が上昇したが、2021年の出荷停止時に供給不足により一時的に低下した。
本研究の推定値はWHO/ユニセフの報告値と比べるとやや高かったものの、薬剤卸データに基づく推定は、接種割合データが存在しない任意接種ワクチンの有効な代理指標になり得るとしている。
今回の成果は、任意接種の実態把握や今後の予防接種政策の検討に貢献するものと期待される。
