統合失調症患者の大腸がん発見・診断に遅れる傾向があり、治療を受ける患者が少ないことが、岡山大学、国立がん研究センター、東北大学、島根大学の共同研究で分かった。

 研究グループは、国立がん研究センターが全国のがん診療連携拠点病院から診療データを収集し、構築したデータベースから、709の医療施設で大腸がんの診断・治療を受けた約25万人の患者を抽出、統合失調症を併発している約2,300人とそれ以外を比較した。

 それによると、精神疾患のない患者は手術治療を88.3%、手術後の抗がん剤治療を56.7%、ステージ4の抗がん剤治療を60.9%が受けているのに対し、統合失調症併発患者は手術治療78.7%、手術後の抗がん剤治療26.3%、ステージ4の抗がん剤治療27.7%にとどまっていた。

 統合失調症は思考や感情、知覚、行動などの統合的機能が持続的に損なわれる精神疾患。患者は精神疾患がない患者に比べ、大腸がんによる死亡率が1.7倍高いことが過去に示された。海外からも統合失調症患者が手術を受けられていないという問題提起が上がっている。

 研究グループは「国民皆保険制度の下、誰一人取り残さないがん治療を掲げる日本の医療界で医療提供に格差が生じている背景について、検討が必要」と提言している。

論文情報:【Acta Psychiatrica Scandinavica】Impact of schizophrenia spectrum disorders on the receipt of invasive and systemic therapy for colorectal cancer: A nationwide multicenter retrospective cohort study in Japan

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岡山大学

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島根大学は、松江キャンパスに法文、教育、人間科学、総合理工、材料エネルギー、生物資源科学の6学部、出雲キャンパスに医学部がある総合大学。伝統的学問の継承、知の創造と共に、社会・産業構造の変化に対応し、現代的課題の解決に向けた教育、研究を推進しています。島根県内[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

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