東京理科大学の研究グループは、出水時には河川中のマイクロプラスチックとメソプラスチックの濃度が著しく増加し、年間輸送量の大部分が、これまでに現地調査が非常に少なく知見の不足していた増水期に集中していることを実証した。
河川は陸域から海洋へのプラスチック流入の主要経路として認識されている。しかし、従来の研究は主に平常時の河川が対象で、洪水時や大雨時のプラスチック輸送については世界的にも十分調査されていなかった。そこで研究グループは、日本の4河川(鶴見川、多摩川、浅川、大和川)を対象に、大雨による増水時に連続的な水質調査を実施し、マイクロプラスチック・メソプラスチック(MMP)輸送の実態解明を試みた。
その結果、大雨により河川の流量が増加すると、河川中のプラスチック濃度が劇的に上昇することが確認された。特に、一部の河川では年間のメソプラスチック輸送量の約90%が、大雨による増水期であるわずか43日間に集中して輸送されていた。
また、流量とプラスチック輸送量の関係を数式化し、集水域や降雨規模が異なる場合でも適用できる一般的な経験式を導出。この式により、流量データからプラスチック輸送量や流域人口一人当たりの年間プラスチック排出量を簡便に算出できるようになった。
今回の研究により、従来の平常時のみを対象とした水質調査では、プラスチック輸送の実態を大きく見落としていた可能性が示された。さらに、洪水時のモニタリングが不可欠であることに加え、研究で開発した推計手法が、効果的な汚染対策の立案や評価に活用できることが明らかになった。
