健康管理に役立つウェアラブル端末は充電を欠かせないことが普及の課題になっているが、その課題を克服した名札型端末が九州大学システム情報科学研究院の荒川豊教授らの研究グループによって開発された。室内の光と人の動きで発電し、電池なしで約8時間動く端末で、長期の行動記録や健康支援への応用が期待される。

 九州大学によると、研究グループは特性の異なる2種類の太陽電池と動きを電気に変える素子を組み合わせた装置を開発し、そこへ電力が不足すれば自動的に省電力状態へ移行する機能を加えた。退勤後、端末を窓辺など明るい場所に置き、翌日に出勤したら名札のように装着し、業務中の行動を記録できる仕組み。

 実証したところ、8時間の勤務時間のうち、94%を発電だけで動作させることに成功した。8種類の部屋の識別も97%の精度で実現できている。研究グループは充電の手間を大幅に軽減できる次世代ウェアラブル端末の開発につながるとみて、さらなる機器の小型化、軽量化を進めることにしている。

 荒川教授は「この端末を使えばその場所の照明光による発電量を位置の指紋とし、電波発生装置への投資など追加負担の必要がなく、滞在場所の把握が可能になる」としている。

論文情報:【Pervasive and Mobile Computing】ZEL+: Wearable net-zero-energy lifelogging using heterogeneous energy harvesters for sustainable context sensing

大学ジャーナルオンライン編集部

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