東京藝大は、高校2年終了で入学する飛び入学制度と、大学を3年で終える早期卒業制度を組み合わせた新しい育成プログラムを2016年度から音楽学部に導入します。20歳で卒業することによって、卒業後に海外の音楽大学に留学しやすくするのが狙いです。大学はクラシック音楽の国際舞台で活躍する一流アーティストを育てたいと意気込んでいます。

 対象となるのは、音楽学部器楽科のバイオリン、チェロの弦楽専攻とピアノ専攻。一流音楽家が審査に加わる実技試験と面接、国際コンクールの入賞歴などから若干名を選抜します。入学金と初年度の授業料が免除され、成績が優秀なら翌年度以降も授業料免除となるうえ、演奏会に参加する旅費などに特別奨学金が支給されます。入学後は個人レッスンの時間が通常の2倍以上になるほか、海外で演奏する機会や一流音楽家の特別レッスンを優先して受けることができます。選抜試験と合格発表は11月に予定されています。

 国際舞台で活躍するクラシックの一流音楽家になるには、フランスのパリ国立高等音楽院やドイツのベルリン芸術大など海外の名門音楽大学に留学することが早道です。しかし、日本と海外の音楽大学の学生交流制度が十分に機能しておらず、海外音楽大学の多くが入学に年齢制限を設けていることから、大学を休学したり中退したりして留学するしか方法がありませんでした。また、才能を持ちながら経済的な理由で音楽の道を10代後半で断念するケースも増えているため、この新しい育成プログラムに大きな期待が集まりそうです。

出典:【東京藝術大学】音楽学部における「飛び入学」及び「スペシャルソリストプログラム(SSP)」並びに「早期教育プロジェクト(EEP)」の実施について(PDF)

東京藝術大学

世界を変える創造の源泉として、優れた芸術家・芸術文化の発展に貢献

東京藝術大学は、その前身である東京美術学校、東京音楽学校の創立以来130余年間、世界水準の教育研究活動を展開し、数多の傑出した芸術家を育成・輩出し続けています。社会の基盤として芸術が担う役割の重要性や、あらゆる分野と繋がり新しい価値を創出する芸術の力を社会に向[…]

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。