東進ハイスクール・東進衛星予備校を運営する株式会社ナガセは、2022年入試において、東進から東京大学に現役合格した生徒を対象にアンケート調査を実施した。その結果、6割以上が「留学をしたい」と回答し、2019年からの比較で、コロナ禍で下がっていた留学への意向が回復傾向にあることもわかった。有効回答数384件。
調査によると、「留学をしたいと思うか」との問いに、「留学をしたい」は2020年に前年を下回ったもののそこから上昇に転じ、2022年は61.9%。「絶対にしたい」と26%が回答。文部科学省等の資料によると留学をする大学生は全体の4%程度であるため、東京大学現役合格者の留学への意識は非常に高いと言える。また、「留学をしたくない」という層は前年まで増加していたが、今年は13.8%とコロナ禍以前の2019年よりも低い結果となった。
「留学をしたいと思ったきっかけ」は、「海外旅行経験」が33.9%でトップとなったが、減少傾向にある。変わって前年から増加しているのが、「インターネット・テレビ等の情報」21.2%と「家族や身近な人の勧め」19.4%。「家族や身近な人の勧め」は2020年、2021年と新型コロナの影響もあり特に減少傾向にあったが、不安がやや解消されためか今年は増加に転じた。「学校での活動・取り組み」13.8%は、今年減少しているが、これは海外大学からの学生を招く校内留学などのイベントが中止となった影響などが考えられる。
一方、「留学をしたくないと思う理由」は、「語学能力等に自信がない」28.2%と「経済的な負担が大きい」27.4%が上位に。「治安等の安全面の心配」20.2%は、新型コロナの流行が始まった2020年に上昇し、それ以降20%程度で変動がない。新型コロナに加え国際情勢の変化などの要因が考えられる。
そもそも「興味がない」という理由は、2019年の31.3%から今年は14.5%と半減。2021年は25.3%と一時上昇しているが、新型コロナの影響で留学はそもそも難しいと考えてしまったことが考えられる。様々な理由で留学をしたくない層が一定数いる一方で、留学への関心は高まっていると言える。
参考:【株式会社ナガセ】東進調査 2022年 東大現役合格者アンケート 留学志向は新型コロナ前よりも上昇 61.9%が「留学をしたい」と回答(PDF)