順天堂大学大学院医学研究科は、医学研究科医科学専攻修士課程に、医療通訳者(英語・中国語)を養成するヘルスコミュニケーションコースを2021年4月に開講する(予定)。

 新型コロナウイルス感染症の影響で訪日外国人の数が減少しているものの、日本国内で就労する在留外国人がいるため、病院の外国人患者受け入れ態勢(整備)の必要性は依然として高い状況が続いている。外国人患者を受け入れる病院の多くが、言語や文化・生活習慣の違いを踏まえた対応に困難を感じている。外国人診療における言葉の問題はグローバル社会の課題であり、日本における医療通訳者の育成は重要な課題とされている。

 しかし、現状は医療現場では正式に訓練を受けたプロの通訳者が少なく、患者の家族、友人、医療者など、通訳とは関係のないバックグラウンドの人が“にわか通訳者”となることも多い。このため誤診やコミュニケーション不全、病状の悪化につながる恐れがあることが問題視されてきた。

 そこで順天堂大学大学院医学研究科が設置するヘルスコミュニケーションコースでは、深い知識を持つコミュニケーションの仲介者としての訓練を受けた医療通訳者を養成する。厚生労働省の医療通訳養成カリキュラムに基づく認定医療通訳者養成講座を修め、医療通訳に必要な専門的知識、技法を体得。医療通訳を必要としている患者や家族に適切な支援を提供し、医療者と患者間のコミュニケーションを支援するという、医療通訳に重要な役割を果たす人材を養成する。

 このコースは厚生労働省の「医療通訳育成カリキュラム基準」に準拠しており、修了者は日本医療教育財団が実施する医療通訳技能認定試験の基礎・専門試験の受験資格を得ることができる。大学で医学関連科目を学んでいない人は、医学の基礎知識を一般教育科目として履修することで、認定医療通訳者として必要となる専門的な知識・技術を習得できるカリキュラム構成となっている。

参考:【順天堂大学】順天堂大学大学院医学研究科に医療通訳者養成のための「ヘルスコミュニケーションコース」を開設~ 医療者と患者間のコミュニケーションを支援する、医療通訳者の養成を目指す ~

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