順天堂大学、慶應義塾大学、東京工業大学(現東京科学大学)の研究者が共同で設立したメタジュンセラピューティクスと順天堂大学は、潰瘍性大腸炎の腸内細菌叢移植療法で治療に参加した人のうち、寛解した人の割合を示す寛解導入率45.9%を達成した。
学校法人順天堂によると、順天堂大学などは厚生労働省が承認した先進医療の抗菌剤併用腸内細菌叢移植療法を2023年から順天堂大学医学部付属静岡病院、金沢大学付属病院などで37人の活動期潰瘍性大腸炎患者に行った。
この療法は活動期潰瘍性大腸炎患者に3種類の抗菌剤を投与して腸内細菌叢を極限まで減らしたところへ、ドナーの便から生成した腸内細菌溶液を投与、バランスが取れた腸内細菌叢の構築を目指す。
その結果、治療開始から8週間後の内視鏡検査で血便や内視鏡所見で症状の改善が見られた患者が70.3%に達した。ほとんど症状がなく、腸内の炎症が改善した状態を指す寛解患者は45.9%に上った。安全性評価でも重い有害症状が見られず、安全性が担保されたと判断されている。
潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に慢性的な炎症を引き起こす指定難病で、腹痛や慢性の下痢、血便などで生活の質が大きく損なわれる。症状が出ている患者の大腸内では腸内細菌のバランスが崩れ、多様度が低下していることから、健康な人の腸内細菌叢を移すことで症状の改善を目指した。
参考:【順天堂大学】寛解導入率45.9%を達成 ―潰瘍性大腸炎に対する腸内細菌叢移植療法― 先進医療B研究で有効性と安全性を確認 ―
