早稲田大学大学院と山口大学大学院の研究グループは、眼圧を連続的かつ非侵襲でモニタリングできる高感度スマートコンタクトレンズを開発。世界でも数少ない技術であり、緑内障の早期発見と進行管理への貢献が期待される。

 眼球内圧力の上昇で視神経が傷害され、失明を引き起こす緑内障は、日中よりも夜間に進行する。そのため、24時間計測用の電子素子搭載型スマートコンタクトレンズの開発が進んでいる。しかし、レンズ素材が硬いと装用感が悪く高価になり、ウェットでソフトな素材では、乾燥して電子部品が基板から剥がれるなどの課題があった。

 そこで研究グループは、電気メッキを利用したアンテナの微細加工技術によって、無線アンテナの伸縮性を実現。アンテナ自身が歪を感知できる最適な構造による歪センサアンテナは、市販のソフトコンタクトレンズに搭載できるため安価で、乾燥してもセンサ素子は剥がれない。

 成果として、開発した回路[パリティ・時間(PT)対称性共振結合回路と無線式歪センサを統合した新回路]によって、従来方式の約183倍の感度を達成。さらに、豚眼およびウサギを用いた実験により、市販の眼圧計と高い線形相関を確認するとともに、高い透明性(可視光透過80%以上)と生体安全性を実証した。

 開発した高感度スマートコンタクトレンズは、夜間や在宅での連続計測により眼圧変動を正確に把握でき、患者のQOL向上や失明リスクの低減につながる。また、装用性が高く、セルフケア型医療デバイスとして幅広い年齢層に普及する可能性がある。心血管・皮膚・呼吸など他の生体計測デバイスにも応用でき、次世代ウェアラブル医療機器開発の基盤技術として期待されるとしている。

論文情報:【NPJ Flexible Electronics】Ultra-Sensitive Real-Time Monitoring of Intraocular Pressure with an Integrated Smart Contact Lens Using Parity-Time Symmetry Wireless Technology

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