科学技術振興機構は、第5回羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)の受賞者を決定した。国際的に活躍が期待される、博士後期課程および博士号取得後数年以内の若手女性研究者に贈る賞で、最優秀賞1人、奨励賞2人の受賞者と特別賞1人を決定した。

 
 本賞はポーランドが生んだ偉大な女性研究者、マリア・スクウォドフスカ=キュリーが、30歳台前半での功績を認められ後にノーベル賞を受賞したことにちなみ、駐日ポーランド共和国大使館と共に2021年度に創設した。自立した研究者としての飛躍が最も期待される一方で、さまざまなライフイベントに直面することが多い若手女性研究者の活躍を称え広く知ってもらうことで、情熱としなやかさをもって飛躍しようとする女性研究者への応援と次世代の育成につなげる狙いがある。

 第5回となる今回は、2025年10月1日から12月10日まで応募を受け付け、外部有識者からなる選考委員会による審査を経て、最優秀賞にインテーザ・サンパオロ AIリサーチ(イタリア)の黒木祐子氏、奨励賞に東北大学の小林天美氏、ダナ・ファーバーがん研究所(アメリカ)の山口そのみ氏、特別賞にアメリカ・ノートルダム大学(アメリカ)の森本真里子氏が選ばれた。

 最優秀賞を受賞した黒木祐子氏は「統計的機械学習」と呼ばれる分野で、計算の無駄を抑えたアルゴリズムを開発することで、多くの選択肢の中から有望なものを絞り込んだり、変化の大きい状況でも安定して判断したりすることを目指している。将来は、「実験回数が限られる材料や生命科学の研究において『何をどれだけ試せばよいか』を数理的に示すことにつなげたい」と考えている。

 日本電子株式会社の協賛により、最優秀賞受賞者に100万円、奨励賞受賞者に各50万円、特別賞に30万円の賞金が贈呈される。また、最優秀賞受賞者には、駐日ポーランド共和国大使館およびポーランド科学アカデミーより、マリアが生まれ育ったポーランドの研究機関などへの訪問機会が提供される。

◆最優秀賞 
黒木 祐子(クロキ ユウコ) 氏
Intesa Sanpaolo AI Research(イタリア)
Data & AI Researcher
専門分野:情報科学
「不確実な状況においても、より良い判断を ― 経験を重ねて学ぶ仕組みを、数式で解き明かす」

◆奨励賞
小林 天美(コバヤシ アミ) 氏
東北大学 医学イノベーション研究所 医学創生研究部
講師(研究室主宰者、国際卓越研究員)
専門分野:神経科学
「小さなRNAは何を引き起こすのか ― タウたんぱく質の凝集と広がりを分子レベルで解明」

山口 そのみ(ヤマグチ ソノミ) 氏
ダナ・ファーバーがん研究所 がん免疫学・ウイルス学部門
HFSP 博士研究員
専門分野:ファージ生物学、構造生物学、生化学
「細胞は何を合図に動くのか ― 分子レベルで迫る生命の判断原理」

◆特別賞
森本 真里子(モリモト マリコ) 氏
ノートルダム大学 化学・生化学科
アシスタントプロフェッサー
専門分野:化学生物学、免疫学、がん生物学
「免疫の「オン・オフ」を自在に操る ― 化学が切り開く次世代医療」

参考:【科学技術振興機構】第5回 羽ばたく女性研究者賞(マリア・スクウォドフスカ=キュリー賞)
受賞者

 

東北大学

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