世界的化粧品大手ロレアルグループの日本法人・日本ロレアルは、2025年度のロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞に、東北大学大学院理学研究科の木野量子さん(28)ら6人を選んだ。賞の創設20周年記念を兼ねた授賞式は2025年10月2日、大阪・関西万博のテーマウィークの一環として行われた。
ロレアル-ユネスコ女性科学者日本奨励賞は物質科学、生命科学の両分野で活躍する日本の若手研究者を発掘する目的で2005年に創設された。これまで75名の受賞者がおり、専門分野での研究推進を通じて科学界に貢献している。2025年度は創設20周年を記念し、例年の4名から6名に受賞者数を増やし、物質科学・生命科学の各分野から3名ずつ選出された。
物質科学分野からは原子核の寿命を決定する装置開発を進める木野さんのほか、複雑な仕組みを持つ細胞を物理学的手法で解析する研究に取り組む慶應義塾大学大学院理工学研究科の髙田咲良さん(26)、宇宙初期の銀河形成で宇宙の風によって星の集団が生まれることを理論シミュレーションで示した東京大学大学院理学系研究科の仲里佑利奈さん(26)が選ばれた。
生命科学分野で選ばれたのは、ネコ科動物のマタタビ反応が生存戦略にかかわることを見つけた岩手大学大学院連合農学研究科の上野山怜子さん(28)、RNA(リボ核酸)より簡素なアミノ酸が遺伝情報を伝達できることを発見した名古屋大学大学院工学研究科の沖田ひかりさん(28)、ラットの心拍調整が訓練で可能になることを解明した東京大学大学院薬学系研究科の吉本愛梨さん(29)。
日本ロレアルは、この奨励賞を通じて女性科学者の才能発揮と科学の発展に積極的に寄与している。また、女性の理系進学を妨げる無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)解消にも取り組み、これまでの受賞者総勢75名のうち6名のインタビューをまとめた記念誌を作成。これにより、女性科学者のロールモデルを示し、未来の女性研究者や関係者への理解促進を目指している。記念誌はオンライン公開も予定されている。



