新型コロナウイルスの感染拡大を理由とした大学生の中途退学が2021年4~8月の間、前年同期を上回っていることが、文部科学省の全国調査で分かった。新型コロナを理由とする休学者も前年同期を上回るペースで増えている。

 文科省によると、調査は8月末時点の中途退学者、休学者の実態について全国の国公私立大学、短期大学、高等専門学校を対象に実施、95.1%から回答を得た。

 2021年4~8月の中途退学者は1万1,862人。前年同期の1万2,322人に比べ、わずかながら減少していた。中退理由は経済的困窮が20.7%、学生生活不適応・修学意欲低下が17.2%で、例年と大きな変化はなかった。しかし、退学理由に新型コロナを挙げた学生は701人おり、前年同期の385人から82%の増加となっている。

 一方、2021年4~8月の休学者は5万908人。前年同期の4万7,087人に比べ、若干の増加が見られた。休学理由は新型コロナによる各国の入国制限で海外留学が大幅に減ったのに対し、学生生活不適応・修学意欲低下6.1%や心神耗弱・疾患8.4%が増えている。休学理由に新型コロナを挙げた学生は4,418人で、前年同期の2,677人から65%増加した。

 新型コロナでアルバイト先が見つからず、経済的に困窮する学生が増えていることもあり、各大学などは独自の授業料減免制度を充実させたり、納付猶予を実施したりしているが、思うような効果を上げられていない学校もあるようだ。

参考:【文部科学省】大学等における令和3年度後期の授業の実施方針等に関する調査及び学生への支援状況・学生の修学状況等に関する調査の結果について(周知)(PDF)

大学ジャーナルオンライン編集部

大学ジャーナルオンライン編集部です。
大学や教育に対する知見・関心の高い編集スタッフにより記事執筆しています。