有人宇宙システム株式会社(JAMSS)と東京理科大学、東京農工大学が共同研究契約を締結して開発を進めている、光触媒を使った空気浄化装置の技術実証機が、米国Axiom Space社による初めての民間宇宙飛行士ミッションAxiom Mission 1(Ax-1)に搭載され、2022年4月9日午前0時17分(日本時間)、米国フロリダ州ケネディ宇宙センターより国際宇宙ステーション(ISS)に向けて、打ち上げられた。

 JAMSSは、今後増加の見込まれる宇宙旅行における滞在生活の質(Quality Of Life:QOL)を向上させるため、場所を選ばず置ける簡易な空気浄化装置が必要になると考え、日本初の技術であり、VOC(揮発性有機化合物/有機溶剤などに含まれる有機化学物質の総称)除去に有効な光触媒に着目し、同分野で世界をリードする東京理科大学、東京農工大学と共同研究を進めてきた。

 光触媒とは、光を照射することで触媒作用を示す物質の総称で、“臭い”の原因となる揮発性有機化合物などを、無害な水や二酸化炭素等に分解することができる。

 共同研究において、JAMSSは、新型の光触媒フィルタ開発に加え、装置最適化を図るためのプロトモデル開発、装置の性能試験などでも協力。宇宙旅行を代表に地球低軌道(LEO)の商業化が進む中、光触媒技術のように日本の優れた技術を活用したQOLサービスの開発・展開を目指している。

 今後は、Ax-1の民間宇宙飛行士が装置の設置・起動した後、ISSにて1か月間程度運転を継続し、その後装置を回収して評価を行う予定で、JAMSSはAx-1でミッションを行う唯一の国内企業となる。

※Axiom Space(アクシオムスペース社)
ISSへの商業モジュール設置をNASAから承認されている唯一の民間会社であり、ISS退役後にはAxiom Commercial Space Station の運用を計画

参考:【東京農工大学】JAMSS×理科大×農工大 初の民間宇宙飛行士ミッション(Ax-1)にて“国内初”実証試験-快適な宇宙旅行に向けた技術実証装置を国際宇宙ステーションへ打ち上げ!- 

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